2025年10月19日
腸内には1000種類以上、約100兆個もの細菌がすみついており、健康や病気に深く関わっています。腸内フローラ検査(腸内細菌叢検査)は、腸内環境のバランスを詳しく調べ、自分の腸の状態を「見える化」できる検査です。便秘や下痢、肌荒れ、肥満、生活習慣病など、さまざまな不調の原因を探る手がかりとなります。
腸内フローラ検査を受ける際は、検査内容や目的を理解してから受けることが大切です。

腸内フローラ検査(腸内細菌叢検査)とは?
腸内フローラ検査(腸内細菌叢検査)とは、腸内にすむ細菌の種類やバランスを調べる検査です。
人の腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と呼ばれる細菌が共存しており、その比率が健康状態に大きく影響します。
例えば、善玉菌が多いと消化吸収が良く、免疫力も高まりやすくなりますが、悪玉菌が増えると便秘や下痢、肌荒れ、免疫低下などの原因になることもあります。
腸内フローラ検査では、便を採取して解析することで、腸内環境を数値化・可視化し、自分に合った食生活や生活習慣の改善に役立てることができます。
腸の健康を客観的に知る有効な手段のひとつです。

腸内フローラ検査でわかること
腸内フローラ検査では、腸内にどのような細菌がどれくらい存在するのか、そしてそれらがどのようなバランスで共存しているのかを調べることができます。
-
脳腸相関や免疫スコア、50種類以上の菌の状態など約70項目がわかる
-
不足する有用菌(善玉菌)がわかる
-
不足する有用菌(善玉菌)がよろこぶ食材がわかる
-
いつもの腸活からさらに一歩進んだアクションをとることができる
-
腸内細菌の潜在能力(ビタミンや短鎖脂肪酸を作る能力)がわかる
これらの情報から、自分の腸内環境が「健康的」か「乱れている」かを判断できます。
腸内フローラは人それぞれ異なるため、検査結果をもとに自分に合った食事内容やサプリメント選び、生活改善の方向性を立てることができます。
腸内フローラ検査の方法
腸内フローラ検査は、便を少量採取して腸内細菌を解析する簡便な検査です。
検査の流れは次の通りです。
-
検査キットを使用し、自宅で便を採取
-
採取した便を専用容器に入れ、郵送
-
専門の検査機関でDNA解析を行い、菌の種類や割合を解析
-
結果は6-8週間後を目安にレポートとして受け取る
レポートでは、腸内環境のバランス、優勢な菌の種類、健康リスクなどがグラフやスコアで表示されます。
当院では、結果に基づき医師が腸内環境を改善するための食事指導や生活アドバイスを行います。痛みや負担が少なく、誰でも受けやすい検査です。
料金の目安と保険適用の有無
腸内フローラ検査は、健康保険の適用外となるため現時点では自由診療(自費診療)となります。
検査キット | 料金 | 特徴 | こんな方におすすめ |
MicroBio Me | 44,000円 | 日本で最も詳細な腸内細菌検査+自分に合った食物繊維サプリが購入可能 | 食事スタイルを大きく変えずに腸活したい方 |
Mykinso Pro GutV4 | 22,000円 | お手軽かつ全体的な腸内バランスを知ることができる | 生活改善も含めて自分と向き合いたい方、初めて腸内検査を受ける方 |
検査を受ける際の注意点
腸内フローラ検査を受ける際は、正確な結果を得るためにいくつかの注意点があります。
まず、抗生物質や整腸剤の服用直後は避けることが大切です。
これらの薬は腸内細菌のバランスを一時的に変化させるため、結果が正確に反映されないことがあります。
また、検査前の食事内容や生活習慣を大きく変えないようにしましょう。
通常どおりの状態で採便することで、普段の腸内環境を正しく把握できます。
採便は、専用キットの指示に従い、清潔な環境で行うことが必要です。
結果はあくまで「現時点での腸内状態」を示すものであり、体調や食事で変化します。
定期的に検査を受けることで、自身の腸内環境の変化を継続的に確認することができます。
腸内フローラ検査は意味ない?
「腸内フローラ検査は意味がない」とインターネットなどで見かけることがありますが、決して無意味ではありません。
確かに、腸内環境と病気の関係はすべてが解明されているわけではありません。
しかし、腸内フローラの乱れが肥満、糖尿病、うつ病、アレルギー、便通異常など、さまざまな不調と関係していることが多くの研究で報告されています。
検査を受けることで、自分の腸内環境を客観的に把握でき、食生活の改善やサプリメント選びの指針を得ることができます。
「結果をどう活かすか」が重要であり、医師のアドバイスを受けながら継続的に見直すことで、健康維持や予防医療に役立てることが可能です。
よくある質問
検査は便を少量採取するだけで行えます。採取した便を専用容器に入れ、郵送で提出します。
痛みや苦痛はありません。
一般的に、検体を提出してから6-8週間ほどで結果が出ます。
当院では、医師が結果を丁寧に説明し、生活改善のアドバイスを行います。
腸内フローラ検査は自由診療(自費診療)です。
体調が安定しているときに受けるのがおすすめです。
抗生物質や整腸剤を服用している場合は、服用後2週間ほど間を空けてからの検査が望ましいです。
結果は腸内環境の「現状把握」に役立ちます。
善玉菌を増やす食生活や発酵食品の摂取、ストレス管理などを意識することで、腸内環境を改善できます。
特に、MicroBio Meでは自分に合った食物繊維サプリのサンプルが結果とともにもらえるので、まずは数日試してみて、効果が実感できれば継続でオンライン購入も可能です。