食後の胃痛は要注意?考えられる病気を医師が解説

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2026年2月07日

食事のあとに胃がキリキリ痛む、重だるい感じが続く、といった経験はありませんか?食後の胃痛は、単なる食べ過ぎだけでなく、さまざまな病気のサインかもしれません。痛みのタイミングや性質によって、原因となる病気が異なることもあります。当院では消化器専門医として、多くの患者さんの胃痛の診療を行ってきました。この記事では、食後の胃痛の原因や考えられる病気、そして受診の目安について、わかりやすく解説いたします。胃の不調を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

食後の胃痛は要注意?考えられる病気を医師が解説

食後に胃痛が起こるのはなぜ?

食後に胃が痛くなるのは、食事によって胃の働きが活発になるためです。

食べ物が胃に入ると、胃は消化液である胃酸を分泌し、食べ物を消化するために動き始めます。この胃の働きが活発になるタイミングで、何らかの問題があると痛みとして感じられます。

通常、健康な胃では食事をしても強い痛みは起こりません。しかし、以下のような場合には食後に胃痛が生じやすくなります。

  • 胃の粘膜に炎症や傷がある場合

  • 胃酸分泌が過剰な場合

  • 胃の動きが悪い場合

  • ストレスや生活習慣の乱れがある場合

などには、食後に胃痛が生じやすくなります。

食後の胃痛は、食べてすぐに痛む場合と、食後しばらく経ってから痛む場合など、痛みが起こるタイミングによって原因が異なることがあります。

(食後すぐ)胃が痛くなる原因

食事の直後から30分程度の間に胃痛が起こる場合、いくつかの原因が考えられます。

  • 急性胃炎

    食べ過ぎや飲み過ぎ、刺激の強い食べ物、ストレスなどが原因で、胃の粘膜に急激な炎症が起こる状態です。キリキリとした鋭い痛みが特徴で、吐き気や胃のむかつきを伴うことがあります。暴飲暴食のあとや、ウイルスや細菌による感染でも起こります。

  • 慢性胃炎

    長期間にわたって胃の粘膜に炎症が続いている状態です。ピロリ菌の感染や、継続的なストレスなどが原因となります。食後に胃が重く感じたり、鈍い痛みが続いたりします。急性胃炎に比べて症状は軽いものの、繰り返し起こるのが特徴です。

  • 胃潰瘍

    胃酸によって胃の粘膜が深く傷つき、えぐれた状態になっている病気です。食事をすると潰瘍部分に刺激が加わり、食後30分から1時間程度で痛みが出やすくなります。主な原因はピロリ菌の感染や、痛み止めの薬(NSAIDs)の長期服用です。

  • 機能性ディスペプシア(FD)

    胃カメラなどの検査をしても異常が見つからないのに、食後の胃痛や胃もたれなどの症状が慢性的に続く病気です。胃の運動異常や知覚過敏、ストレスの関与が示唆されています。ストレスや生活習慣の乱れも関係しています。(注:FDは「器質的疾患を除外した上で診断される疾患」です)

食後すぐの胃痛は、胃そのものに問題があることが多く、早めの受診をおすすめします。

(食後しばらくしてから)胃が痛くなる原因

食後2時間から4時間程度経ってから胃が痛くなる場合は、胃以外の臓器に問題がある可能性も考えられます。

  • 十二指腸潰瘍

    十二指腸に潰瘍ができる病気で、胃潰瘍とは痛みの出るタイミングが異なります。十二指腸潰瘍では、空腹時や食後数時間経ってから痛みが出やすく、食事をすると一時的に痛みが和らぐことがあります。夜間や早朝に痛むこともあります。ピロリ菌感染や痛み止めの薬(NSAIDs)が原因となります。

  • 胆石症

    胆のうに石ができる病気です。食後に脂肪分を含む食事を摂ると、胆のうが収縮して胆汁を排出しようとしますが、胆石があるとみぞおちや右上腹部の痛みを引き起こす場合があります。時に、背中や肩にも痛みが広がることがあります。脂っこい食事のあとに症状が出やすいのが特徴です。また、胆のう結石が胆管に落ちると、激しい痛みを引き起こし、発熱や黄疸を伴う場合もあります。

  • 慢性膵炎

    膵臓に慢性的な炎症が起こる病気です。膵臓は食後数時間後に消化酵素を多く分泌するため、この時間帯に痛みが出やすくなります。背中側に響くような痛み、持続的な上腹部痛、吐き気、下痢などの症状が現れます。常習的な飲酒が主な原因となることが多い病気です。

  • 腸のガス溜まり

    豆類や炭酸飲料、脂っこいものなどを食べると腸内にガスが溜まりやすく、腹部の張りや痛みを感じることがあります。過敏性腸症候群の方は特に症状が出やすい傾向があります。

食後しばらく経ってからの痛みは、胃だけでなく周辺の臓器の問題も考える必要があります。

こんな胃痛は早めに病院へ

食後の胃痛の中には、すぐに医療機関を受診すべき危険なサインもあります。
以下のような症状がある場合は、早めにご相談ください。

  • 激しい痛みが続く場合

    我慢できないほどの強い腹痛や、冷や汗が出るほどの痛みは、胃潰瘍の穿孔や急性膵炎などの可能性があります。緊急の受診が必要な状態です。

  • 黒い便や血便が出る場合

    便が真っ黒になったり、血が混じったりする場合は、胃や十二指腸からの出血が疑われます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍が悪化している可能性があり、早急な治療が必要です。

  • 吐血や嘔吐を繰り返す場合

    血を吐いたり、コーヒーの残りかすのような黒っぽいものを吐いたりする場合は、消化管からの出血のサインです。また、何度も嘔吐を繰り返す場合も、重症化している可能性があります。

  • 体重が急激に減少している場合

    特にダイエットをしていないのに体重が減り続ける場合は、胃がんなどの重大な病気が隠れている可能性があります。食欲不振が続く場合も要注意です。

  • 症状が2週間以上続く場合

    軽い胃痛でも、2週間以上症状が続いたり、一度治まっても繰り返し起こったりする場合は、慢性的な病気の可能性があります。自己判断で市販薬を飲み続けるのではなく、医療機関で検査を受けることをおすすめします。

  • 夜間や早朝に目が覚めるほどの痛みがある場合

    睡眠中に痛みで目が覚める場合は、十二指腸潰瘍などの可能性が高くなります。放置すると悪化する恐れがあります。

胃痛は身体からの大切なサインです。気になる症状がある方は、お気軽に当院にご相談ください。

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックについて

当院は、消化器疾患の診断と治療を専門としています。食後の胃痛をはじめとする消化器のトラブルに対応しています。

当クリニックの特徴

  • 消化器専門医による診療

    日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします。胃痛の原因を的確に診断し、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提案いたします。

  • 内視鏡検査が可能

    胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます。鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査も対応しており、初めての方でも安心して受けていただけます。

  • 土曜日・日曜日も診療

    平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています。お仕事や学校で平日の受診が難しい方も、週末に検査や診療を受けることが可能です。

こんな症状があればご相談ください

  • 食後に胃が痛む

  • 胃もたれが続く

  • みぞおちに不快感がある

  • 胸焼けやげっぷが多い

  • 食欲がない、体重が減った

お腹の症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

まとめ

食後の胃痛は、食べ過ぎや一時的なものから、胃炎、胃潰瘍、機能性ディスペプシアなど、さまざまな病気のサインである可能性があります。痛みが起こるタイミングや症状の特徴によって、原因を推測することができます。

食後すぐに痛む場合は胃炎や胃潰瘍、食後しばらく経ってから痛む場合は十二指腸潰瘍や膵臓、胆のうのトラブルが考えられます。激しい痛み、黒色便、吐血、体重減少などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

また、軽い症状でも2週間以上続く場合や、繰り返し起こる場合は、慢性的な病気が隠れている可能性があります。市販薬で様子を見るのではなく、消化器専門医による診察と検査を受けることをおすすめします。

胃カメラ検査は、胃痛の原因を特定するだけでなく、早期の胃がんやピロリ菌感染を発見できる大切な検査です。当クリニックでは、苦痛の少ない内視鏡検査を行っておりますので、胃の症状が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

よくある質問

食後の胃痛は放っておいても治りますか?

一時的な食べ過ぎや飲み過ぎによる胃痛であれば、安静にすることで自然に治ることもあります。しかし、症状が2週間以上続く場合や繰り返し起こる場合は、胃炎や胃潰瘍などの病気が隠れている可能性があります。放置せず、医療機関で検査を受けることをおすすめします。

市販の胃薬を飲んでも良いですか?

一時的な症状であれば市販の胃薬も有効ですが、根本的な原因の治療にはなりません。特に胃潰瘍や胃がんなどの病気がある場合、市販薬で症状を抑えてしまうと診断が遅れる恐れがあります。症状が続く場合は、自己判断で薬を飲み続けるのではなく、医師の診察を受けてください。

胃カメラ検査は必ず受けなければいけませんか?

胃痛の原因を正確に診断するためには、胃カメラ検査が最も有効です。胃炎、胃潰瘍、胃がんなどを直接観察でき、ピロリ菌の検査も同時に行えます。当院では鎮静剤を使用した楽な検査も可能ですので、苦手な方もご相談ください。

食事で気をつけることはありますか?

脂肪分の多い食事、刺激の強い香辛料、アルコール、カフェインは胃に負担をかけやすいため、控えめにすることをおすすめします。また、早食いや大食いも胃に負担をかけるため、ゆっくりよく噛んで、腹八分目を心がけましょう。

ストレスも胃痛の原因になりますか?

はい、ストレスは胃痛の大きな原因の一つです。ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、胃酸の分泌が増えたり、胃の動きが悪くなったりして、胃痛を引き起こします。十分な睡眠と休息を取り、ストレスをためない生活を心がけることも大切です。

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記事監修

院長 石岡 充彬

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

 

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