2026年2月26日
疲れた時や眠気覚ましに、エナジードリンクを手に取る方は多いかもしれません。しかし、エナジードリンクにはカフェインや糖分が多く含まれる製品があります。飲み過ぎは体に負担をかけ、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。
特に注意したいのが消化器系への影響です。胃痛や吐き気、下痢といった症状が現れることがあります(注:カフェインやコーヒー成分が胃酸分泌・消化管運動に影響しうることが報告されています)。また、心臓への負担や不眠、習慣化(やめたときの離脱症状を含む)が問題になることもあります。この記事では、エナジードリンクの飲み過ぎによる体への影響について詳しく解説します。

エナジードリンクの飲み過ぎは本当に体に悪いのか
「毎日エナジードリンクを飲んでいるけど大丈夫かな」と不安になることはありませんか?
エナジードリンク自体が悪いわけではなく、問題は「飲み過ぎ」です。適量であれば眠気覚ましや集中力を高めるのに役立つ場面もありますが、カフェイン・糖分の摂り過ぎになりやすく、体調不良の原因になることがあります。
エナジードリンクの影響について
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カフェインと糖分が含まれる
エナジードリンクにはカフェインや糖分が含まれます。カフェインは覚醒作用がある一方で、摂り過ぎると不眠、動悸、落ち着かない、吐き気などの症状につながることがあります。
糖分の摂り過ぎは、体重増加や2型糖尿病リスク上昇と関連する報告があります。
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空腹時に飲むと胃が荒れやすい
空腹時は胃の不快感(胃痛・胸やけ・吐き気など)が出やすい方がいます。 -
体調不良を訴える人が増えている
日本だけでなく海外でも、エナジードリンクの飲み過ぎによる体調不良が報告されています。国内でも行政機関が、カフェインを多く含む飲料の飲み過ぎに注意喚起しています。
特に子ども、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方は影響を受けやすいとされています。
エナジードリンクはコンビニなどで手軽に買えるため、つい気軽に飲んでしまいがちです。しかし、中身の成分や飲む量には十分な注意が必要です。
エナジードリンクに含まれる主な成分と含有量
ここでは代表的な成分についてご説明します。
主な成分
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カフェイン
目を覚ます効果や集中力の維持に関わります。1本あたりのカフェイン量は製品差が大きく、多いものでは300mgを超える製品もあります。ラベル表示で確認することが大切です。また、業界の自主ガイドラインでは、カフェインを多く添加した清涼飲料水(飲用時のカフェイン量が100mlあたり21mg以上の製品を対象とする)について適量の飲用を促す表示を行うよう指針が示されています。
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糖分
製品によって差がありますが、甘味が強い製品では糖分が多くなりがちです。WHOはフリーシュガー(砂糖など)の摂取を、1日の総エネルギーの10%未満(強く推奨)、可能なら5%未満(条件付き)に抑えることを推奨しています。一般的な例として1日2000kcalの場合、10%は約50g、5%は約25gに相当します。そのため、甘い飲料を500ml飲むだけで、この目安に近づいたり超えたりする場合があり、他の食事やお菓子・飲料に含まれる糖分も合算して考えることが大切です。
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タウリン・アルギニン
タウリンやアルギニンは、エナジードリンクによく含まれる成分です。タウリンは体内にも存在する含硫アミノ酸の一種で、栄養ドリンク等では有効成分として配合されることがあります。一方、アルギニンはアミノ酸の一種で、体内で一酸化窒素(NO)産生に関わり、血流や代謝に関与するとされています。
ただし、清涼飲料水(エナジードリンク)として摂るタウリン/アルギニンが、疲労回復やパフォーマンス向上などの明確な健康効果をもたらすかは、製品や摂取量、個人差も大きく、十分な科学的根拠は限定的です。
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ビタミンB群
体の中でエネルギーを作り出すのを助ける栄養素です。食事からも摂取でき、用量表示の範囲での摂取が基本です。
製品によってカフェイン量が違う
エナジードリンクは製品によって1本あたりのカフェイン量に大きな差があります。購入する際は、必ずパッケージの成分表示を確認しましょう。
1日何本から「飲み過ぎ」?カフェイン摂取量の目安
エナジードリンクは1日に何本まで飲んでいいのでしょうか。ここでは安全な摂取量の目安についてご説明します(※個人差が大きい点に注意)。
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健康な成人の場合
厚生労働省のQ&Aでは、健康な成人の目安として最大400mg/日が紹介されています。EFSAも健康な成人で総量400mg/日、単回摂取は200mgまでを安全性の目安として示しています。エナジードリンク1本には100〜300mg以上のカフェインが入っていることが多くあります。つまり、1日に2〜3本飲むと上限を超えてしまいます。
安全に飲むなら、1日1本までにしましょう(飲料ラベルの“1本あたりカフェイン量(mg)”から合計を計算するのが安全です。)。
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妊娠中・授乳中の方
妊娠中や授乳中の方は、1日200mg/日未満を目安にし、エナジードリンクは避ける/控えることを推奨します(厚労省資料では妊婦・授乳中は300mg/日の目安が紹介される一方[1]、英国FSAやACOGでは200mg/日未満を推奨しています)。 -
子どもの場合
子どもはカフェインの影響を特に受けやすいです。基本的にエナジードリンクは飲ませないようにしましょう。
他の飲み物も合わせて考える
コーヒー、紅茶、緑茶、コーラにもカフェインが入っています。
例えば、朝にコーヒーを2杯飲むと約160〜200mgのカフェインを摂っています。その日にエナジードリンクを飲むと、簡単に400mgを超えてしまいます。
1日に飲むすべての飲み物のカフェイン量を合計して考えましょう。
結論:何本までOK?(あくまで目安)
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カフェイン量が少ない製品(1本80〜100mg)→1日2本まで
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カフェイン量が多い製品(1本150mg以上)→1日1本まで
最も安全なのは、「1日○本」と決め打ちせず、健康成人は合計400mg/日を超えないように、ラベルで計算するのが安全です。
飲み過ぎによる体への悪影響
ここでは代表的な悪影響についてご説明します。
消化器系への影響
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胃痛・胸やけ・吐き気
カフェインは胃酸の分泌を促す働きがあります。空腹時や飲み過ぎると、胃酸が過剰に出て胃の粘膜を刺激し、胃痛や胸やけ、吐き気が起こることがあります。 -
下痢・腹痛
腸の運動を促し、便意が強くなる人が一定数いることが報告されており、下痢になることがあります。
心臓・神経系への影響
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動悸・不整脈
心臓がドキドキしたり、脈が乱れたりすることがあります。大量に飲むと不整脈が出る場合もあります。 -
不眠・イライラ
寝つきが悪くなったり、興奮や不安、イライラといった症状が現れたりします。 -
手の震え・めまい
カフェイン中毒の症状として現れることがあります。
胸痛、失神、けいれん、意識障害がある場合は緊急受診が必要です。
その他の影響
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肥満・2型糖尿病のリスク
大量の糖分により、毎日飲み続けると肥満や糖尿病のリスクが高まります。 -
カフェイン依存
毎日飲んでいると依存性が生じ、やめたときの頭痛・だるさなどが問題になることがあります。 -
虫歯
糖分が多い飲料は、虫歯予防の観点から推奨されません。
特に注意が必要な人
体質や健康状態によっては、エナジードリンクを控えたほうがよい場合があります。ここでは特に注意が必要な方についてご説明します。
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胃腸が弱い方
胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、過敏性腸症候群などの病気がある方は注意が必要です。
カフェインが胃酸を増やしたり、腸の動きを活発にしたりするため、胃痛や下痢が悪化することがあります。できるだけ避けましょう。
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心臓に病気がある方
不整脈、高血圧、心臓病などがある方は、病状の悪化のリスクがあります。必ず主治医に相談してから飲みましょう。
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眠れない方
不眠症の方や睡眠の質が悪い方は、カフェインで症状が悪化する場合があります。特に午後以降は飲まないようにしましょう。
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薬を飲んでいる方
カフェインは薬と相互作用を起こすことがあります。カフェイン含有医薬品との併用に注意してください。風邪薬や鎮痛剤にもカフェインが入っている場合があり、医師や薬剤師に相談しましょう。
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カフェインに弱い方
少し飲んだだけで動悸や不安感が出る方は、体質的にカフェインに敏感な可能性があります。エナジードリンクは避け、カフェインレスの飲み物を選びましょう。
上記に当てはまる方は、飲む前に医師に相談することをおすすめします。
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックについて

当クリニックは、消化器疾患の診断と治療を専門としています。エナジードリンクによる胃腸のトラブルをはじめとする消化器の症状に対応しています。
当クリニックの特徴
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消化器専門医による診療
日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします。 -
内視鏡検査が可能
胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます。 -
土曜日・日曜日も診療
平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています。
こんな症状があればご相談ください
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胃痛や胸やけが続く
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下痢や腹痛を繰り返す
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食後に胃がもたれる
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吐き気が治まらない
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お腹の調子が悪い
お腹の症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
詳しくは公式サイトをご覧ください。まとめ
エナジードリンクは適量であれば眠気覚ましに役立つ場面もありますが、飲み過ぎると体にさまざまな悪影響を及ぼします。
カフェインは、健康な成人で合計400mg/日が目安として紹介されており、妊娠中はより保守的に200mg/日未満を目安に、エナジードリンクは避ける/控えるのが安全です。
飲み過ぎで、胃痛、下痢、動悸、不眠、不安感などが出た場合は中止し、症状が強い・続く場合は医療機関へ相談してください。
エナジードリンクに頼らず、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事で体調を整えることが基本です。
胃痛や下痢などの症状が続く場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。お気軽に当クリニックにご相談ください。
よくある質問
“カフェイン以外”にも注意が必要です。糖分が多い製品だと、肥満や糖尿病のリスクを高めます。飲み過ぎには注意しましょう。
一時的な胃痛であれば、市販の胃薬を使用しても構いません。ただし、症状が続く場合や繰り返し胃痛が起こる場合は、胃炎や胃潰瘍などの病気が隠れている可能性があります。早めに医療機関を受診しましょう。
“本数”ではなく、表示のカフェイン量(mg)で合計を見ます。健康な成人は合計400mg/日が目安とされます。
そう感じる人はいます。カフェインを習慣的に摂ると慣れ(耐性)が生じ、同じ量では効果を感じにくくなることがあります。量を増やすと過剰摂取になりやすいので、摂取量を見直す(休薬日を作る・夕方以降は避ける等)ことが安全です。
摂るなら少量で、まず水分補給を。適量であれば問題ありませんが、カフェインには利尿作用があるため、運動中に脱水症状を起こしやすくなります。



