快便なのにお腹が張る|原因について消化器専門医が解説

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2025年3月24日

「毎日スッキリ快便なのに、なぜかお腹が張ってつらい…」
そんな経験はありませんか?快便と感じるのに、お腹の張りに悩まされている方は少なくありません。もしかしたら、それは病気のサインかもしれません。
この記事では、快便なのに、お腹が張る原因について、詳しく解説していきます。

快便なのにお腹が張る|原因について消化器専門医が解説

快便なのに、お腹が張る…一体なぜ?

「お腹が張る」というと、便秘をイメージする方が多いのではないでしょうか?
しかし、毎日排便があっても、お腹の張りに悩まされる方はいらっしゃいます。「快便=お腹が張らない」とは限りません。

お腹が張るというのは、医学的には「腹部膨満感」と呼ばれます。腹部膨満間の原因はさまざまですが、その一つは腸内に溜まったガスです。
食事と一緒に飲み込んだ空気や、食事の内容や腸内細菌が食べ物を分解する際に発生したガスが腸内に溜まります。通常、これらのガスはげっぷやおならとして体外に排出されますが、何らかの原因で排出がうまくいかなくなると、お腹に溜まってしまい、張りの原因となるのです。さらに、ストレスや自律神経の乱れによって腸の調整機能がうまく働かず、膨満感が続くこともあります。

快便なのに、お腹が張る原因

快便なのに、お腹が張る原因は、様々な要因が考えられます。

考えられる原因としては下記があげられます。

  • 過敏性腸症候群(IBS)
    腸に目に見える異常がないにも関わらず、様々な消化器症状が引き起こされる疾患です。腹痛、便秘、下痢などが有名ですが、お腹の張りもその代表的な症状のひとつです。
    IBSでは、ストレスや不安などにより、腸の運動機能が乱れ、ガスの排出がうまくいかなくなります。また、IBSでは腸の知覚過敏が関与しており、通常なら問題にならない程度のガスや腸の伸展でも、不快な張りや痛みとして感じることがあります。腸の神経が過敏になっているため、わずかな刺激にも過剰に反応し、膨満感を強く感じるようになります。
  • 腸内細菌のバランスの乱れ
    腸内には100兆個以上の細菌が存在し、消化や免疫機能を支えています。これらの腸内細菌のバランスが乱れると、腸内環境が悪化し、お腹の張りを引き起こすことがあります。
  • 食生活の乱れ
    早食い、食べ過ぎ、脂肪分の多い食事、炭酸飲料の飲み過ぎなどは、腸内でガスが発生しやすくなりお腹の張りの原因となります。また、食物繊維の摂りすぎや不足も腸内環境を乱し、張りの原因となることがあります。食事はバランスよく、よく噛んで食べることが大切です。
  • ストレス
    ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが不規則になり、ガスの排出がうまくいかなくなり、お腹が張るようになります。また、過敏性腸症候群(IBS)の人は、ストレスにより腸の過敏性が高まり、膨満感を感じやすくなります。
  • 運動不足
    運動不足により、腸の運動を低下すると、
    ガスの排出が滞り、お腹の張りを引き起こしやすくなります。軽いウォーキングやストレッチを習慣にすることで、腸の動きを促進し、張りを軽減できます。
  • 冷え性
    体が冷えると、腸の血流が悪くなり、蠕動運動が低下するため、お腹が張りやすくなります。冷たい飲み物を控え、体を温める習慣を持つことが重要です。
  • 女性ホルモンの影響
    女性はホルモンバランスの影響で腸の動きが変化しやすく、特に月経前や更年期には、ホルモンバランスが乱れることで、お腹が張りを感じやすくなります。
  • その他
    猫背や長時間同じ姿勢でいると、腸が圧迫されてガスの排出が滞りやすくなります。呑気症(空気を過剰に飲み込む)、機能性ディスペプシア(FD)、小腸内細菌増殖症(SIBO)、慢性膵炎、腸閉塞(イレウス)、S状結腸軸捻転症、大腸憩室症、卵巣嚢腫や子宮筋腫などの疾患が原因となる場合もあります。

タイプ別の原因と解消法

お腹の張りの原因別に適切な解消法を行うようにしましょう。

タイプ別の原因と解消法について詳しく解説して行きます。

タイプ原因解消法
ガス型腸内細菌のバランスの乱れ、食生活の乱れ腸内環境を整える食品(ヨーグルト、納豆、キムチなど)を摂取する、食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、海藻など)を適度に摂取する、ゆっくりよく噛んで食べる、炭酸飲料や脂っこい食事、発酵食品の過剰摂取を控える、軽い運動をする
ストレス型ストレス十分な睡眠をとる、リラックスできる時間を作る、ストレスを解消する趣味を持つ、ヨガや瞑想などを取り入れる、規則正しい生活リズムを作る
冷え型冷え性体を温める食品(生姜、根菜類など)を摂取する、温かい飲み物を飲む、体を冷やさない服装をする、お風呂にゆっくり浸かる、適度な運動をする
ホルモン型女性ホルモンの影響規則正しい生活を心がける、バランスの取れた食事を心がける、適度な運動をする、リラックスできる時間を作る、症状がひどい場合にはかかりつけの婦人科に相談する
その他機能性ディスペプシア(FD)、小腸内細菌増殖症(SIBO)、慢性膵炎、腸閉塞(イレウス)、S状結腸軸捻転症、大腸憩室症、卵巣嚢腫や子宮筋腫などの疾患などの疾患医療機関を受診し、適切な検査や治療を受ける

お腹の張りを解消するための方法

お腹の張りを解消するためには、タイプ別の解消法に加えて、以下の方法も効果的です。

食生活の改善

  • よく噛んで食べる
  • 一度にたくさん食べ過ぎない
  • 脂肪分の多い食事を控える
  • ガスを発生させやすい食品(発酵食品や炭酸飲料など)を控える
  • 食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、海藻など)を適度に摂取する
  • 腸内環境を整える食品(ヨーグルト、納豆、キムチなど)を摂取する
  • 温かい飲み物を積極的に摂る

生活習慣の改善

  • 適度な運動をする
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレスを解消する
  • 湯船に浸かるなど体を温める
  • 便意を我慢しない
  • 規則正しい生活リズムを保つ

これらの方法を日常生活に取り入れることで、お腹の張りを予防・改善することができます。

まとめ

この記事では、快便なのに、お腹が張る原因と解消法について解説しました。
快便でも、お腹が張る場合は、過敏性腸症候群(IBS)、腸内細菌のバランスの乱れ、食生活の乱れ、ストレス、運動不足、冷え性、女性ホルモンの影響、その他の疾患など、様々な原因が考えられます。お腹の張りを解消するには、原因に合わせた対策を行うことが重要です。食生活の改善や生活習慣の改善、タイプ別の解消法などを試して、お腹の張りを改善しましょう。

もし、お腹の張りが続く場合や、他の症状を伴う場合は、医療機関を受診するようにしてください。
ご自身の状態に合わせて、適切な方法で、お腹の張りを解消し、快適な毎日を送りましょう。

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記事監修

院長 石岡 充彬

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

 

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