夏前に増える胃腸の不調|原因と対処法を専門医が解説

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2026年6月16日

「最近、食欲がない」「お腹がゆるい日が続いている」「なんとなく胃がもたれる」そんな不調を感じていませんか?梅雨入り前の5〜6月ごろから、胃腸の不調を訴える患者さんが増える傾向があります。気温の変化、冷たい食べ物・飲み物の増加、そして自律神経の乱れなど、夏前ならではの要因が重なりやすい時期です。
ただし、これらの症状は単なる「夏バテ」だけでなく、胃食道逆流症、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群、感染性胃腸炎、胃・十二指腸潰瘍、まれに胃がん・大腸がんなどの病気でも起こることがあります。
この記事では、夏前に胃腸の調子が崩れやすい理由と、日常生活でできる対策、医療機関を受診すべき症状について、専門医がわかりやすくお伝えします。

夏前に増える胃腸の不調|原因と対処法を専門医が解説

夏前・初夏に胃腸の不調が増える理由

胃腸の不調は「夏本番」だけではなく、5〜6月の初夏にも起こることがあります。
主な理由は以下の3つです。

気温差による体へのストレス

春から夏にかけての時期は、日中と朝晩の気温差、室内外の温度差、湿度の上昇などにより、体温調節に負担がかかりやすくなります。体温調節には自律神経が関わるため、睡眠不足や疲労が重なると、胃腸の動きや食欲に影響することがあります。

発汗と水分バランスの乱れ

気温が上がると起こること胃腸への影響
汗をかく量が増える水分・塩分不足により、だるさ、食欲低下、便秘傾向が出ることがある
冷たい飲み物を多くとる個人差が大きいが、胃の動きや胃排出に影響する場合がある
食欲が落ちる食事量の低下や栄養バランスの乱れにつながることがある

気温が上がると汗をかく量が増え、体内の水分や塩分が不足しやすくなります。脱水は、だるさ、食欲低下、吐き気、便秘傾向などにつながることがあります。

生活リズムの変化

ゴールデンウィーク明けや梅雨の時期は、睡眠時間、食事時間、活動量が乱れやすい時期です。不規則な食事や睡眠不足は、胃もたれ、食欲不振、便通異常などを悪化させる要因になることがあります。臨床現場でも、生活リズムの乱れをきっかけに、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群のような「検査で大きな異常がないのに症状が続く病態」が悪化する方は少なくありません。

冷たい食べ物・飲み物が胃腸に与える影響

暑くなると、冷たいものを口にする機会が自然と増えます。
冷たいものを完全に避ける必要はありませんが、一度に大量に摂ると、胃もたれや腹部不快感につながる場合があります。

胃が冷えると何が起こるのか

冷たい飲み物や食べ物を一度に多く摂ると、胃腸の動きに一時的な影響が出ることがあります。その結果、体質や体調によっては、胃もたれ、腹部膨満感、食欲低下、下痢、腹痛に加え、腸の動きや食事量の変化によって便秘傾向を感じることもあります。

冷えによる変化起こりうる症状
冷たいもの中心で食事量が減る栄養バランスの乱れ、だるさ、便秘傾向
胃の動き(蠕動運動)が鈍くなる胃もたれ、腹部膨満感、食欲不振
腸の動きが刺激されたり、リズムが乱れる下痢・腹痛・便秘傾向

特に注意したい飲み方・食べ方

以下のような習慣は、胃腸への負担が大きくなりやすいとされています。

  • 運動後や入浴後に冷たい飲み物を一気に飲む

  • 食事のたびに氷入りの飲み物を大量に摂る

  • アイスや冷たいデザートを毎日食べる

  • 冷たいものと熱いものを交互に摂る

冷たいものを「完全に避ける」必要はありませんが、胃腸の不調を感じるときは、常温の水、白湯、温かいお茶、スープ、味噌汁などを組み合わせ、量とタイミングを調整しましょう。

夏の胃腸トラブルの予防・対処法

夏前の胃腸不調は、睡眠、食事、水分補給、冷房環境を整えることで改善する場合があります。まずは以下のポイントを意識してみてください。

食事・飲み物の工夫

避けたいこと代わりにできること
冷たい飲み物を一気に飲む常温の水や白湯をこまめに飲む
毎食アイスや冷製料理だけにする温かいスープや汁物を1品加える
脂っこいものや刺激物を多く摂る消化のよい食材(豆腐・白身魚・お粥など)を選ぶ
食事を抜く・不規則な時間に食べる3食できるだけ同じ時間に摂る

下痢がある場合は、脱水予防が重要です。水だけでなく、塩分も含めて補うことが大切な場合があります。高齢者、子ども、持病のある方では脱水が進みやすいため、早めの対応が必要です。

生活習慣の整え方

自律神経を安定させるためには、規則正しい生活リズムが基本です。次のことを日常に取り入れてみてください。

  • 毎日同じ時間に起床・就寝する

  • 就寝前のスマートフォンの使用を控える

  • 冷房の設定温度は外気温との差を5〜6℃以内に抑える

  • 軽いウォーキングやストレッチを習慣にする

  • 入浴はシャワーだけでなく、ぬるめの湯船に浸かる

これらの対策は、胃腸への負担を減らすだけでなく、自律神経のバランスを整えることにもつながります。「なんとなく続く不調」を感じている方は、まず生活習慣の見直しから始めてみてください。

こんな症状が続くときは受診を|夏に隠れる消化器の病気

夏の胃腸不調の多くは、生活習慣の改善で落ち着いてきます。ただし、以下のような症状が続く場合は、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、感染性胃腸炎、炎症性腸疾患、胃がん、大腸がんなど、別の病気が隠れていることがあります。

受診の目安となる症状

  • 2週間以上、食欲不振・胃もたれ・腹痛が続いている

  • 原因不明の体重減少がある

  • 黒い便・血が混じった便が出た

  • 嘔吐が繰り返し起こる

  • 夜中に目が覚めるほどの腹痛がある

  • 胸やけ・げっぷが毎日のように続く

これらの症状がある場合は、市販薬だけで様子を見続けず、自己判断せず医療機関を受診してください。検査や治療は、症状、年齢、既往歴、内服薬、診察所見をふまえ、必ず医師の判断のもとで行うことが大切です。

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックについて

当クリニックは、消化器疾患の診断と治療を専門としています。夏の胃腸不調をはじめとする消化器のトラブルに対応しています。

当クリニックの特徴

  • 消化器専門医による診療

    日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします

  • 内視鏡検査が可能

    胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます

  • 土曜日・日曜日も診療

    平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています

こんな症状があればご相談ください

  • 食後の胃もたれ・膨満感が続く

  • 食欲がなく、体重が減ってきた

  • 便が黒い、または血が混じっている

  • 胸やけ・げっぷが毎日のように続く

  • 下痢や腹痛が繰り返し起こる

お腹の症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

よくある質問

市販の胃腸薬を飲んでも大丈夫ですか?

軽い胃もたれや消化不良であれば、市販の整腸剤や消化薬を一時的に使用することは問題ありません。

ただし、2週間以上症状が続く場合や、黒い便・血便・体重減少を伴う場合は、市販薬での対処を続けず、速やかに医療機関を受診してください。自己判断での服用が長引くと、大切な病気の発見が遅れることがあります。

子どもや高齢者の不調を和らげるには?

どちらも脱水(体内の水分が不足した状態)が進みやすいため、こまめな水分補給と早めの受診を心がけてください。

子どもは体温調節機能が未熟なため、冷たいものの影響を受けやすい傾向があります。高齢者は暑さや冷えに対する感覚が鈍くなりやすく、症状が出ていても気づきにくいことがあります。

夏は水分を摂れば胃腸によいですか?

水分補給自体はとても大切ですが、「何を・どのように飲むか」も重要です。冷たい飲み物を一度に大量に摂ると、胃腸を冷やして消化機能を低下させることがあります。

常温の水や白湯、薄めのスポーツ飲料などを、少量ずつこまめに摂るのが理想的です。特に胃腸の不調を感じているときは、冷たい飲み物よりも常温〜温かい飲み物を意識して選ぶようにしてください。

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記事監修

院長 石岡 充彬

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

 

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