2026年6月18日
「食後に胸がジリジリと焼ける」「酸っぱいものが喉まで上がってくる」そんな症状に悩まれている方は多いかもしれません。逆流性食道炎の症状は薬だけでなく、毎日の食事内容、食べる量、食後の姿勢、体重、喫煙習慣などによって大きく変わります。「何を食べればいいの?」「何を我慢すればいいの?」という疑問に、消化器専門医の立場からできるだけわかりやすくお答えします。

逆流性食道炎と食事の関係
逆流性食道炎とは、胃の中の酸(胃酸)が食道に逆流することで、胸やけや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)などの症状を起こす病気です。内視鏡で食道粘膜にびらんや炎症が確認される場合もありますが、症状があっても内視鏡で明らかな炎症が見えないタイプもあります。
胃と食道のつなぎ目には、「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という、胃の内容物が食道へ戻りにくくする働きを持つ、いわば「ベルト」の役割をする筋肉があります。この「ベルト」がゆるんだり、胃の中の圧が高くなったりすると、胃酸や胃内容物が食道に逆流しやすくなります。
食事の内容は、この「ベルト」のゆるみや胃酸の量に直接影響します。薬での治療と並行して、食事を見直すことが症状の改善につながります。
食べてはいけないもの・避けるべき食品
症状を悪化させる食品には、大きく分けて3つの特徴があります。
「胃酸分泌を増やすもの」「ベルトをゆるめるもの」「食道を直接刺激するもの」です。
| 特徴 | 胃腸への影響 | 具体的な食品・飲み物 |
| 胃酸分泌を増やすもの | 胃酸が増えることで、胸やけや酸っぱいものが上がる感じが出やすくなることがあります | コーヒー、濃い緑茶、紅茶、エナジードリンク、アルコール、香辛料の多い料理 |
| ベルトをゆるめるもの | 下部食道括約筋の働きが弱まり、胃酸や胃の内容物が食道へ逆流しやすくなることがあります | 脂っこい料理、揚げ物、ラーメン、脂身の多い肉、生クリーム、チョコレート、アルコール |
| 食道を直接刺激するもの | 逆流したときに、食道の粘膜が刺激され、しみる感じや胸やけを悪化させることがあります | 唐辛子、わさび、辛いカレー、柑橘類、レモン、梅干し、酢の物、炭酸飲料 |
ただし、どの食品で症状が出るかは個人差が大きいため、「食べてはいけないもの」と決めつけるのではなく、症状が強い時期に控えめにし、自分に合わない食品を確認していくことが現実的です。
逆流性食道炎におすすめの食品
「食べていいものがない…」と感じる方も多いかもしれませんが、胃や食道にやさしい食品はたくさんあります。以下の食品を積極的に取り入れてみてください。
| 種類 | 具体的な食品 |
| 消化の良い主食 | お粥、うどん、食パン |
| 脂肪の少ないたんぱく質 | 鶏むね肉、ささみ、白身魚、豆腐、卵料理 |
| やわらかい野菜 | キャベツ、大根、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー |
| 発酵食品 | ヨーグルト、納豆、味噌汁 |
| 果物 | バナナ、りんごなど、酸味が強すぎないもの |
選ぶときの基本は「脂肪が少なく、胃に負担をかけにくいもの」です。
揚げていない、辛くない、酸っぱくない、この3点を意識するだけでも食品選びがぐっと楽になります。
調理の工夫|食べ方・調理法のポイント
「同じ鶏肉でも、唐揚げはNG・蒸し鶏はOK」というように、食材そのものよりも調理法が症状に影響することがあります。
おすすめの調理法
| 調理法 | 具体的な料理例 |
| 蒸す | 蒸し鶏、茶碗蒸し、蒸し野菜 |
| 煮る | 煮魚、野菜スープ、うどん、お粥 |
| 焼く(油なし) | グリル焼き、網焼き |
| 電子レンジ | 温野菜、蒸しもの全般 |
揚げる・炒めるなど、油をたっぷり使う調理は、症状が強い時期にはできるだけ控えましょう。
食べ方で気をつけること
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ゆっくりよく噛んで食べる(目安:一口30回)
急いで食べると食べすぎにつながりやすく、胃への負担も増えます。「いつもより少しゆっくり」を意識しましょう。 -
味付けは薄めに、刺激の強い調味料は控える
濃い味や辛い調味料は、胃酸の分泌を増やしやすくなります。だしや素材の味を活かした、シンプルな味付けがおすすめです。 -
1回量を控えめにする
満腹まで食べると胃が膨らみ、胃の中の圧が上がって逆流しやすくなります。腹八分目を意識し、必要に応じて1回量を少なめにすることが大切です。
逆流性食道炎を悪化させない食習慣
「何を食べるか」だけでなく、「いつ・どのくらい食べるか」も症状に大きく関係します。

日常生活で意識したい4つのこと
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寝る2〜3時間前までに食事を終える・食後すぐに横にならない
食後に横になると、重力の影響で胃酸が食道に流れ込みやすくなります。食後は座った状態や軽く歩くなど、体を起こしておくことが大切です。 -
食事の量を控えめにする
満腹まで食べると胃が膨らんで圧が上がり、逆流が起きやすくなります。「もう少し食べられる」くらいの腹八分目を目標にしましょう。 -
体重を適正に保つ
体重増加や肥満は、逆流性食道炎の症状と関連します。特に肥満や体重増加がある方では、減量がGERD症状の改善に推奨されています。食事の改善と適度な運動で、無理のない範囲で体重を管理することが症状改善につながります。 -
禁煙に取り組む
タバコは胃と食道の「ベルト」をゆるめる作用があり、逆流を起こしやすくします。喫煙習慣のある方は、禁煙が症状改善の大きな一歩になります。 -
寝方も工夫する
夜間の胸やけや咳、酸っぱいものが上がる感じがある方では、上半身を少し高くして寝ることが役立つ場合があります。ただし、枕だけを高くすると首や肩に負担がかかることがあるため、医師に相談しながら無理のない方法を選びましょう。
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックについて

当クリニックは、消化器疾患の診断と治療を専門としています。逆流性食道炎をはじめとする消化器のトラブルに対応しています。
当クリニックの特徴
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消化器専門医による診療
日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします
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内視鏡検査が可能
胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます
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土曜日・日曜日も診療
平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています
こんな症状があればご相談ください
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食後に胸やけ
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胃酸が上がってくる感じがある
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げっぷが増えた
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酸っぱいものがこみ上げてくる
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のどの違和感
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胃もたれ・吐き気が繰り返す
お腹の症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
詳しくは公式サイトをご覧ください。よくある質問
症状が落ち着いてきたら、少しずつ食事の幅を広げることができます。ただし、自己判断で急に元の食事に戻すのではなく、どの食品で症状が出やすいかを確認しながら、無理のない範囲で調整しましょう。症状が続く場合は、担当医と相談して進めることをおすすめします。
外食自体を禁止する必要はありません。和食、蒸し料理、煮物、焼き魚、うどんなどを中心に選び、揚げ物や脂肪分の多いメニュー、辛い料理、大量のアルコールを控えるだけでも、症状の悪化を防ぎやすくなります。食べすぎを避け、食後すぐに横にならないことも大切です。
症状が軽い場合は食事・生活習慣の改善で落ち着くこともあります。ただし、症状が続く場合や、食べ物のつかえ、体重減少、黒色便、貧血などがある場合は、薬による治療や内視鏡検査が必要になることがあります。「改善してきたから大丈夫」と自己判断せず、症状が続く場合は消化器内科を受診してください。
コーヒーで症状が悪化する方はいますが、全員が完全にやめる必要があるわけではありません。飲むと胸やけが強くなる場合は、量を減らす、空腹時を避ける、薄めにする、カフェインレスを試すなどの方法があります。症状との関係を見ながら調整しましょう。
牛乳で一時的に症状が和らぐと感じる方もいますが、脂肪分の多い牛乳を多く飲むと、かえって胃もたれや逆流感につながることがあります。飲む場合は少量にし、症状との関係を確認しましょう。



