2026年8月21日
「高熱と下痢が一緒に出てきたけれど、これは病院に行くべき?」と迷ったことはありませんか。
高熱と下痢が同時に起きたときは、体温の数字だけでなく、血便、強い腹痛、水分が取れるか、尿量、意識状態が重要です。高熱と下痢に嘔吐やぐったり感を伴う場合は、脱水や重い腸炎の可能性があります。この記事では高熱を伴う下痢の原因、正しい対処法、治療、感染予防、受診の目安を消化器専門医が解説します。

医師監修コメント
診療現場では、「昨日から39℃の発熱と水のような下痢がある」「生焼けの鶏肉を食べてから腹痛と熱が出た」「血が混じっているけれど肛門の痔だと思ってよいですか」といった相談を受けます。
実例として、生ものや加熱不十分な食べ物の摂取後に、発熱と腹痛が先に現れ、その後に頻回の下痢や血便が出るケースがあります。一方、家族全員に同じ症状が起こる場合や、本人だけに症状が出る場合もあり、症状だけで病原体を決めることはできません。
大切なのは「何度の熱か」だけではなく、飲めているか、尿が出ているか、血便がないか、痛みが一部分に集中していないかを確認することです。
高熱と下痢があるとき
高熱と下痢が同時に起きても、すべてが重い病気とは限りません。ただし、血便、激しい腹痛、脱水、意識の変化、水分を飲めない状態を伴う場合は、速やかな受診が必要です。
| 状態 | 対応の目安 |
| 意識がおかしい・反応が鈍い | 119番を検討 |
| 水分をまったく飲めない | 救急外来または119番 |
| 大量の血便・黒い便 | 速やかに受診 |
| 激しい腹痛・お腹が硬い | 救急受診を検討 |
| 尿がほとんど出ない | 当日中に受診 |
| 高熱と頻回の下痢が続く | 当日中に内科・消化器内科へ |
| 水分が取れ、症状が軽い | 補水しながら注意深く経過確認 |
体温の数字だけで緊急度を決めない
「38.5℃を超えたら必ず救急」「39℃未満なら大丈夫」という明確な境界はありません。
体温が高くても会話ができ、水分を取れている人がいる一方、発熱が軽くても、脱水や血圧低下、意識障害が進んでいる人もいます。
次の点を合わせて確認してください。
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呼びかけに普段どおり答えられるか
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自分で水分を飲めるか
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立ったり歩いたりできるか
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尿が出ているか
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血便や黒い便がないか
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腹痛が急速に強くなっていないか
すぐに救急車を呼ぶべき症状
次のような場合は、自家用車で無理に移動せず、119番への連絡を検討します。
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意識を失った
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呼びかけへの反応がおかしい
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けいれんしている
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息苦しい
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水分を飲み込めない
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立てないほどぐったりしている
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冷や汗があり、顔色が著しく悪い
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激しい腹痛が続き、お腹が硬い
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大量の血便が出ている
高熱を伴う下痢の主な原因
代表的な原因は、細菌性食中毒、ウイルス性胃腸炎、薬剤による腸炎です。感染症以外にも炎症性腸疾患や虫垂炎などが隠れている可能性があります。
| 原因 | 主な特徴 |
| サルモネラ | 発熱、水様性下痢、腹痛、血便 |
| カンピロバクター | 鶏肉摂取後などに発熱、腹痛、下痢 |
| 腸管出血性大腸菌 | 強い腹痛、血便、発熱は目立たない場合もある |
| 細菌性赤痢 | 急な発熱、しぶり腹、粘血便 |
| ノロウイルス | 嘔吐、下痢、腹痛、比較的軽い発熱 |
| ロタウイルス | 主に乳幼児の嘔吐、水様性下痢、発熱 |
| 薬剤性腸炎 | 抗菌薬の服用後などに下痢・発熱 |
| 炎症性腸疾患 | 長引く下痢、血便、腹痛、体重減少 |
| 外科的疾患 | 虫垂炎などでも発熱と下痢を伴うことがある |
感染性胃腸炎は、細菌、ウイルス、寄生虫など多様な病原体による消化器感染症の総称です。発熱、下痢、悪心、嘔吐、腹痛、血便などが起こります。
細菌性の食中毒・感染性腸炎
高熱、強い腹痛、血便を伴う場合は、細菌性腸炎を考える必要があります。
代表的な原因には、次のようなものがあります。
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加熱不十分な鶏肉:カンピロバクター、サルモネラ
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生卵や卵加工品:サルモネラ
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加熱不十分な肉:腸管出血性大腸菌
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魚介類:腸炎ビブリオ
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汚染された水や食品:病原性大腸菌、赤痢菌など
カンピロバクター感染症では、下痢、腹痛、発熱、吐き気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などがみられます。サルモネラ感染症では、38℃以上の発熱、頻回の水様性下痢、血便、腹痛を呈する重症例があります。
腸管出血性大腸菌に注意が必要な理由
腸管出血性大腸菌には、O157、O26、O111などがあります。
主な症状は強い腹痛と水様性下痢、その後の血便です。高熱が目立たない例もあるため、「高熱がないから大丈夫」とは判断できません。
一部では、赤血球が壊れ、血小板が減少し、腎機能が悪化する溶血性尿毒症症候群を起こす可能性があります。尿量減少、顔色不良、強い倦怠感、むくみ、意識の変化などが出た場合は速やかな受診が必要です。
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルスでは嘔吐と下痢が中心ですが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋肉痛、倦怠感を伴うことがあります。多くは数日で回復しますが、乳幼児、高齢者、基礎疾患がある人では脱水などにより重症化する可能性があります。
ロタウイルスでは、水様性下痢、嘔吐、発熱、腹痛などがみられ、特に乳幼児では脱水に注意が必要です。
感染症以外の病気
発熱と下痢が同時に起こっても、感染性胃腸炎とは限りません。 次のような病気が隠れている可能性もあります。
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潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
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虫垂炎
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虚血性大腸炎
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薬剤性腸炎
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大腸憩室炎
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抗菌薬関連腸炎
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甲状腺機能亢進症などの全身疾患
右下腹部など一部分の痛みが強い、お腹を押して離したときに強く痛む、下痢が治っても腹痛だけが悪化する場合は、外科的疾患も考えて受診してください。感染性胃腸炎の診断では、外科的疾患や炎症性腸疾患との鑑別が必要とされています。
自宅で行う正しい対処法
意識がはっきりして水分を飲める場合は、少量ずつ経口補水を行います。無理な絶食は避け、飲めない、吐き続ける、血便がある場合は自宅で様子を見ず受診してください。
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安静にして体温と症状を記録する
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経口補水液などを少量ずつ飲む
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尿の回数と色を確認する
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血便や黒い便の有無を確認する
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食べられる場合は少量から食事を再開する
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下痢止めや抗菌薬を自己判断で使わない
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家族とタオルを共用しない
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症状が悪化したら医療機関へ連絡する
水分は少量ずつ補給する
下痢と発熱が続くと、水分と電解質が失われます。
一度に大量に飲むと吐き気や嘔吐が悪化することがあるため、飲める場合は、一口ずつ間隔を空けて補給します。脱水が強い場合には、スポーツドリンクより電解質濃度が調整された経口補水液が適することがあります。重度の脱水や意識障害がある場合は、経口補水ではなく点滴が必要です。
次の脱水症状に注意してください。
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強い口の渇き
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尿量の減少
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濃い色の尿
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立ちくらみ
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脈が速い
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顔色が悪い
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ぐったりする
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ぼんやりする
嘔吐がある人へ無理に飲ませない
意識がもうろうとしている人や、繰り返し嘔吐している人に無理に水分を飲ませると、吐いた物を気管へ吸い込む危険があります。
自分で安全に飲めない場合は、経口補水を続けず、救急外来や119番へ相談してください。
水分補給と食事のポイント
水分が取れることを最優先し、食事は吐き気が落ち着いてから少量ずつ再開します。下痢だからといって、何日も絶食する必要はありません。
| 飲食物 | 判断 |
| 経口補水液 | 脱水が疑われる場合に適する |
| 水・麦茶 | 軽い症状の水分補給に使用可能 |
| スポーツドリンク | 糖分が多い製品があり、少量ずつ |
| アルコール | 脱水を悪化させる可能性があり避ける |
| おかゆ・うどん | 吐き気がなければ少量から |
| 脂肪分の多い食事 | 症状が強い間は避ける |
| 生もの | 回復するまでは避ける |
| 乳製品 | 下痢が悪化する人は一時的に控える |
食べられる場合は絶食を続けない
吐き気が強くなければ、おかゆ、うどん、スープ、バナナなど、食べやすい物を少量から摂ります。
急性下痢でも、経口摂取が可能な人に一律の食事制限は必要ないとされています。食欲がない間は無理をする必要はありませんが、水分だけの状態を長期間続けないようにします。
高齢者や持病がある人の補水
心不全、腎臓病、透析、高血圧などで、水分や塩分の制限を受けている人は、自己判断で経口補水液を大量に飲まないでください。
普段の制限内容と症状を医療機関へ伝え、適切な補水方法を確認します。
下痢止め・解熱薬・抗菌薬の注意点
高熱や血便を伴う下痢では、下痢止めを自己判断で使用しないでください。解熱薬や抗菌薬についても、決められた量を守り、症状が強い場合は薬で様子を見続けず受診します。
| 薬 | 注意点 |
| ロペラミドなどの下痢止め | 高熱・血便・感染性下痢では自己使用を避ける |
| 整腸剤 | 補助的な治療であり、脱水治療の代わりにはならない |
| 解熱薬 | 原因を治す薬ではなく、用法・用量を守る |
| 抗菌薬 | 原因菌によって必要性が異なる |
| 残っている処方薬 | 自己判断で再使用しない |
| 複数の風邪薬 | 同じ解熱成分の重複に注意する |
高熱や血便があるときの下痢止め
ロペラミドは腸の動きを抑える薬です。PMDAの電子添文では、腸管出血性大腸菌や赤痢菌などによる出血性大腸炎では禁忌とされ、感染性下痢では原則として投与を避けるよう記載されています。
次の場合は、市販の下痢止めを自己判断で使用せず、医療機関へ相談してください。
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血便・粘血便がある
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高熱を伴う
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激しい腹痛がある
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抗菌薬服用後に下痢が始まった
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お腹が強く張っている
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乳幼児や高齢者
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妊娠中
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重い基礎疾患がある
肛門から鮮血が出た場合、痔核や裂肛の可能性もありますが、高熱や下痢を伴っている場合は「痔だから大丈夫」と決めつけないことが重要です。
抗菌薬が必要とは限りません
感染性胃腸炎の多くは、補水を中心とした対症療法で改善します。原因がウイルスの場合、抗菌薬は効果がありません。
一方、重症の細菌性腸炎、免疫機能が低下している人、菌血症のリスクがある人などでは、抗菌薬治療を検討する場合があります。腸管出血性大腸菌を含め、菌の種類によって治療方針が異なるため、残っている抗菌薬を自己判断で飲まないでください。
解熱薬を追加で重ねて飲まない
解熱薬を使っても熱が下がらない場合、決められた服用間隔より早く追加することは避けてください。
発熱の数字だけを下げるより、水分が取れるか、尿が出ているか、意識が普段どおりかを確認する方が重要です。市販の風邪薬と解熱薬には、同じ成分が含まれている場合があります。
病院で行う検査と治療
問診と診察を行い、重症度に応じて血液検査、便培養、便中病原体検査、点滴などを検討します。急性期に全員が大腸カメラを受けるわけではありません。
| 検査・治療 | 主な目的 |
| 問診 | 食事歴、発症時期、回数、渡航歴を確認 |
| 血液検査 | 炎症、脱水、腎機能、電解質を評価 |
| 便培養検査 | 細菌性腸炎の原因菌を調べる |
| 点滴 | 水分・電解質を補う |
| CT・超音波 | 強い腹痛や外科的疾患を評価 |
| 大腸内視鏡 | 症状が長引く場合などに検討 |
便検査が必要になりやすいケース
次のような場合には、便培養や病原体検査を検討します。
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血便や粘血便がある
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発熱と強い腹痛がある
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下痢が長引いている
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海外渡航後に発症した
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同じ食事をした複数人に症状がある
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免疫機能が低下している
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食品を扱う職業に就いている
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集団感染が疑われる
すべての軽い胃腸炎で原因菌を調べる必要があるわけではなく、症状や患者背景に応じて検査を選択します。
点滴が必要になる目安
次のような場合は、点滴による治療を検討します。
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水分を飲んでも吐いてしまう
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尿量が著しく減っている
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立てないほどふらつく
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血圧が低い
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意識状態が悪い
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血液検査で腎機能や電解質の異常がある
点滴は下痢を直接止める治療ではなく、失われた水分と電解質を補う治療です。
大腸内視鏡検査が必要になる場合
高熱を伴う急性下痢の全員に、大腸内視鏡検査を行うわけではありません。
急性期の感染性腸炎では、問診、血液検査、便検査などが中心です。次の場合には、急性期が落ち着いた後を含めて大腸カメラを検討します。
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血便が長引く
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下痢が数週間以上続く
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炎症性腸疾患が疑われる
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体重減少や貧血がある
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感染症以外の大腸炎が疑われる
家庭内感染を予防する方法
石けんと流水による手洗いが基本です。便や嘔吐物は、手袋とマスクを着用して静かに処理し、病原体に応じて次亜塩素酸ナトリウムを使用します。
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トイレ後は石けんと流水で手を洗う
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調理前・食事前にも手を洗う
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タオルを家族と共用しない
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便座、レバー、ドアノブを清掃する
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嘔吐物を素手で触らない
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嘔吐物を乾燥させない
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汚れた衣類を静かに扱う
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症状がある人は調理を避ける
家族に教える正しい嘔吐物の処理法
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窓を開けて換気する
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使い捨て手袋とマスクを着用する
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ペーパータオルで外側から内側へ静かに拭く
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使用した物をビニール袋へ入れる
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汚染した床や周囲を塩素系消毒液で処理する
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処理後は石けんと流水で手を洗う
ノロウイルス対策では、環境の拭き取りに約200ppm、便や嘔吐物を入れた廃棄袋内の処理に約1,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムが案内されています。製品によって原液濃度が異なるため、表示に従って希釈してください。
塩素系漂白剤を酸性洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する危険があります。原液を吐物へ直接かけず、製品の注意事項に従います。
アルコール消毒だけに頼らない
ノロウイルスの家庭内感染予防では、石けんと流水による丁寧な手洗いが基本です。
指先、爪の間、親指の周囲、手首まで洗い、洗った後は清潔なペーパータオルなどで拭きます。
仕事や学校への復帰
仕事や学校へ戻れる時期は、原因となる感染症、症状、職業、施設の規定によって異なります。
特に、調理・食品製造・給食・医療・介護・保育などに関わる人は、自己判断で復帰せず、勤務先や医師へ確認してください。症状がある間は、食品を直接取り扱う作業を避けます。
特に早めの受診が必要な人
乳幼児、高齢者、妊娠中の人、免疫機能が低下している人、重い基礎疾患がある人は脱水や感染症が重症化しやすいため、早めに医療機関へ相談してください。
| 注意が必要な人 | 主な理由 |
| 乳幼児 | 脱水が短時間で進みやすい |
| 高齢者 | のどの渇きや症状に気づきにくい |
| 妊娠中 | 使用できる薬や検査に配慮が必要 |
| 免疫抑制治療中 | 感染症が重症化する可能性 |
| 腎臓病・心臓病 | 水分・電解質管理が難しい |
| 炎症性腸疾患の人 | 原疾患の悪化との区別が必要 |
| 抗菌薬服用中・服用後 | 抗菌薬関連腸炎の可能性 |
子ども・高齢者の脱水サイン
乳幼児では、次の変化に注意します。
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おむつが長時間濡れない
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泣いても涙が出ない
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口の中が乾いている
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目がくぼんで見える
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ぐったりして遊ばない
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ミルクや水を飲めない
高齢者では、強い口渇がなくても脱水が進む場合があります。普段より反応が鈍い、転倒した、尿量が減った、食事が取れない場合は早めに受診します。感染性胃腸炎は、乳幼児や高齢者で脱水により重症化する可能性があります。
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックでの対応

当院では、全身状態が安定している方の急性下痢、腹痛、血便などを診察します。高熱がある場合は感染対策や緊急度確認のため、来院前にご連絡ください。
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症状と経過の問診(症状が始まった日時、最も高かった体温、下痢の回数と便の状態、血便の有無、嘔吐の回数、最後に尿が出た時間、発症前に食べた物、同じ症状がある家族や同席者、海外旅行歴、最近使用した抗菌薬、持病と服用中の薬など)
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腹部の診察
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必要に応じた血液検査
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症状に応じた便検査の案内
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脱水に対する治療
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重症時の連携病院への紹介
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慢性化した下痢や血便に対する内視鏡検査
感染性胃腸炎が疑われる場合は、ほかの患者さんへの感染を防ぐため、直接来院する前に電話などで受診方法をご確認ください。
当院の診療体制
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックは、東京・日本橋にある消化器内科・内視鏡内科・肛門内科のクリニックです。
院長は日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医で、急性・慢性の下痢や血便などの診療を行っています。
土曜日は外来診療を行っています。日曜日は原則として月1回の予約検査のみであるため、最新の診療日程を公式サイトでご確認ください。
よくある質問
水分を飲めて、尿が出ており、血便や激しい腹痛、意識の変化がなければ、補水しながら短時間経過を確認できる場合があります。
ただし、高熱と頻回の下痢が続く場合は、脱水や細菌性腸炎の可能性があるため、早めに内科・消化器内科へ相談してください。
痔核や裂肛による出血の可能性はありますが、高熱、下痢、腹痛を伴う場合は感染性腸炎なども考える必要があります。
「紙に少し付いただけ」と自己判断せず、便の写真を撮影して医師へ見せると診断の参考になります。
高熱、ふらつき、脱水がある場合は、長時間の入浴を避けてください。
浴室内で転倒したり、発汗によって脱水が進んだりする可能性があります。体調が安定するまでは、短時間のシャワーや体を拭く程度にします。
吐き気が強い場合は無理に食べる必要はありませんが、食べられる状態で何日も絶食を続ける必要はありません。
水分を優先し、吐き気が落ち着いたら消化しやすい食べ物を少量から再開してください。
高熱、血便、強い腹痛を伴う場合は、自己判断で使用しないでください。
ロペラミドなどの腸管運動を抑える薬は、重い感染性下痢では症状を悪化させる可能性があります
同じ食べ物を食べた複数人が同時期に発症した場合は、食中毒の可能性があります。
食べた食品、店名、日時、発症者数を記録し、医療機関へ伝えてください。残っている食品は捨てず、密封して冷蔵・冷凍保存すると、保健所の調査で必要になる場合があります。
別の感染、脱水の再進行、薬剤性腸炎、炎症性腸疾患などの可能性があります。
高熱や下痢が再び起こった場合は、「食事を戻すのが早かっただけ」と決めつけず、医療機関へ相談してください。
まとめ
高熱と下痢では、体温の数字だけでなく、血便、腹痛、水分摂取、尿量、意識状態を確認します。飲めない、意識がおかしい、激しい痛みや大量の血便がある場合は、速やかに救急対応を求めてください。
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高熱と下痢の原因は感染性胃腸炎や食中毒だけではない
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発熱の数字だけで緊急度を決めない
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血便、激しい腹痛、意識変化は危険なサイン
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自分で飲める場合は少量ずつ水分補給する
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飲めない場合は点滴が必要になる可能性がある
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高熱や血便があるときは下痢止めを自己判断で使わない
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残っている抗菌薬を勝手に飲まない
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食べられる場合は絶食を続けない
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家庭内感染の予防には石けんと流水による手洗いが重要
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乳幼児、高齢者、基礎疾患がある人は早めに受診する
迷った場合は「飲めるか・尿が出るか」を確認
受診するか迷ったときは、まず自分で水分を飲めるか、尿が出ているかを確認してください。
水分を取れない、尿が極端に少ない、反応が鈍い場合は、下痢の回数や体温にかかわらず早急な医療対応が必要です。
参考・出典元
本記事では、厚生労働省、国立健康危機管理研究機構、PMDA、日本感染症学会・日本化学療法学会などの公的資料・診療ガイドラインを優先して参照しました。
1.国立健康危機管理研究機構「感染性胃腸炎」(感染症情報提供サイト)
2.厚生労働省「感染性胃腸炎(特にノロウイルス)」(厚生労働省)
3.国立健康危機管理研究機構「カンピロバクター感染症」(感染症情報提供サイト)
4.国立健康危機管理研究機構「サルモネラ感染症」(感染症情報提供サイト)
5.国立健康危機管理研究機構「腸管出血性大腸菌感染症」(感染症情報提供サイト)
6.JAID/JSC感染症治療ガイドライン「腸管感染症」(感染症情報センター)
7.PMDA「ロペラミド塩酸塩」電子添文(PMDA)
8.厚生労働省「ノロウイルスによる食中毒予防のポイント」(厚生労働省)
【免責事項】
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。意識がおかしい、水分をまったく飲めない、激しい腹痛がある、大量の血便が出ている場合は、記事を読み進めるより先に救急要請または医療機関への連絡を行ってください。