下痢の時にバナナを食べるのは良いって本当?

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2026年10月19日

「お腹の調子が悪いから、とりあえずバナナを食べよう」と考えたことはありませんか。インターネットなどでバナナ/下痢について検索し、体に良いと聞いて試したことがある方も多いでしょう。
実際、バナナは下痢の回復期における栄養補給として、理にかなっている部分は多くあります。しかし、食べ方を間違えると、かえって症状が悪化してしまう可能性もあります。
「本当にバナナは下痢の時に食べて大丈夫なのか」「かえって悪化しないか」と不安に思う方に向けて、この記事では、バナナが下痢の時に役立つ理由と正しい食べ方、そして避けるべき食事について、消化器内科の医師がわかりやすく解説します。

下痢の時にバナナを食べるのは良いって本当?

バナナは下痢の時の食事として向いている?

結論から申し上げますと、下痢の時にバナナを食べることは、多くの場合で胃腸への負担が少なく、理にかなった選択であると考えられています。

下痢の時にバナナが向いている理由

  • ペクチンの働き
    水溶性食物繊維が腸内の水分を調整し、便を整える効果が期待できる。

  • カリウムの補給
    下痢や嘔吐で失われやすいミネラルを手軽に補える。

  • 消化の良さ
    やわらかく、弱った胃腸に負担をかけずにエネルギーになる。

水分がとれていて、食べても吐かず、食欲があるなら、バナナは食事の選択肢になります。ただし、下痢を治すために無理に食べる必要はありません。吐き気が強いときは固形物を無理に食べず、飲めるものを一口ずつ、少しずつとってください。少量の水分も保てずに吐いてしまう場合は、受診が必要です。

胃腸の負担を減らす食物繊維と消化の良さ

バナナに含まれる水溶性食物繊維は、腸内で余分な水分を抱え込み、ゆるくなった便の硬さを改善する手助けをします。他の果物と比べても消化吸収が早く、エネルギーに変わりやすいため、食欲が落ちている時でも無理なく食べられる優れた食べ物です。

逆効果になることも?お腹が痛い時に避けるべきバナナの食べ方

体に優しい食材ですが、食べ方によってはかえって腸に負担をかけ、下痢や腹痛が悪化する原因になることがあります。

避けるべきバナナの食べ方と理由

食べ方のNG例腸への影響と理由
冷たいまま食べる冷蔵庫から出した直後の冷たい状態は、胃腸を冷やして働きを低下させる。
一度にたくさん食べる果糖(糖分)が多く含まれるため、量が多いと腸を刺激し浸透圧性の下痢を招く。
青くて硬いものを食べる熟していないバナナは消化が悪く、胃に負担がかかる。

冷たいまま・食べ過ぎが腸内環境に与える影響

バナナは毎日食べるのにも適した果物ですが、下痢の時は「食べすぎ」に注意が必要です。大量の糖分は腸内の水分を引き寄せてしまい、便がさらにゆるくなることがあります。1回に食べる量は半分〜1本程度に減らすなど工夫し、必ず常温に戻して食べるか、少し温めるなどして胃腸を冷やさないようにしましょう。

また、胃腸炎などの感染症が原因の時は、食べ物だけで原因の菌やウイルスを排除できるわけではないため、根本的な回復には休養が不可欠です。

回復を早めるおすすめの食事とバナナの食べ方・レシピ

  • フォークでつぶしてペースト状にする(消化を助ける)

  • すりおろしたりんごに混ぜる(さっぱりして食べやすい)

  • 常温に戻したプレーンヨーグルトと合わせる(回復期におすすめ)

  • 白湯などの温かい飲み物と一緒に食べる

ヨーグルトやりんごを組み合わせる際の注意点

症状が少し改善し、回復に向かっている中では、腸内環境を整えるためにヨーグルトなどの発酵食品を少しずつ取り入れるのがいいでしょう。

ただし、症状が強い時期や、普段から乳製品でお腹がゆるくなりやすい方は無理をせず、少量から試してください。りんごも水溶性食物繊維が豊富で下痢の時の食事に向いていますが、ジュースにする場合は冷えすぎないよう常温で飲むのがポイントです。

コンビニでも買える!下痢・嘔吐時に消化の良い食べ物

バナナ以外にも、消化が良く胃腸を刺激しない食べ物を選ぶことが大切です。外出先や自炊が難しい時は、コンビニで買える消化の良いものを選びましょう。

おすすめの消化の良い食べ物と選び方

食材のジャンルおすすめの食べ物(コンビニ等で買えるもの)
主食(炭水化物)レトルトのおかゆ、やわらかく煮込まれたうどん
タンパク質豆腐、茶碗蒸し、脂の少ない白身魚の惣菜
スープ類じゃがいもやにんじんのポタージュ、薄味の味噌汁

吐き気がある中での適切な水分補給

下痢や嘔吐がある時は、食事の無理な摂取よりも「水分の確保」が最優先です。水や麦茶、経口補水液などを、コップ1杯を一気に飲むのではなく、数回に分けてこまめに口に含んでください。

食事がとれない状態が続いても大丈夫なように、体内の電解質(塩分やミネラル)を補うことが大切です。

胃腸炎などで避けるべき食べ物と飲み物

大腸や小腸の粘膜が炎症を起こしている状態(胃腸炎など)では、腸を刺激したり、消化に時間がかかったりする食べ物は徹底して避ける必要があります。

下痢の時に避けるべき飲食物

避けるべきもの具体例胃腸への影響
脂っこいもの揚げ物、スナック菓子、脂身の多い肉消化に時間がかかり、胃腸の負担が大きくなる
刺激の強いものカレー、唐辛子、香辛料腸の粘膜を直接刺激し、炎症を悪化させる
消化の悪い繊維ごぼう、きのこ、玄米、海藻類不溶性食物繊維が多く、腸管を刺激して便意を促す
冷たい・刺激飲料コーヒー、炭酸飲料、アルコールカフェインや炭酸ガスが腸を過剰に刺激する

コーヒーや牛乳が腸の負担になる理由

コーヒーに含まれるカフェインは腸の働きを活発にしすぎるため、下痢を助長する恐れがあります。また、牛乳などの乳製品は、下痢の時(特に感染後)は一時的に乳糖を分解する酵素が減少し、消化不良を起こしやすくなることがあるため、症状が強いうちは避けるのが無難です。

腹痛や熱が続く場合に内科を受診する目安

下痢の多くは数日で自然に治まりますが、以下のようなサインがある場合は、市販薬で様子を見ず、早めに内科・消化器内科を受診してください。

すぐに医療機関を受診すべきサイン

  • 激しい腹痛や、38度以上の熱が続いている

  • 便に血が混じる、または黒っぽい便が出る

  • 吐き気が強く、水分が全く摂れない(尿の量が極端に減っている)

  • 症状が2週間以上長引いている

高齢者や幼児における脱水症状の危険性

特に高齢者や幼児は、体内の水分量が元々少ないため、大人よりも短時間で重篤な脱水症状に陥る危険性があります。「これくらいなら大丈夫」と過信せず、ぐったりしている、唇がカサカサしているといった様子が見られたら、早急な受診が必要です。また、自己判断で強い下痢止めを使用すると、体内のウイルスや細菌を排出できなくなり逆効果になることがあります。

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックの診療について

当クリニックでは、急な下痢から慢性的なお腹の不調まで、消化器疾患全般の専門的な診断と治療を行っています。

当クリニックの特徴

  • 消化器専門医による診療

    日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします

  • 内視鏡検査が可能

    胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます

  • 土曜日・日曜日も診療

    平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています

大腸の異常が疑われる場合の対応

長引く下痢や血便がみられる場合、単なる胃腸炎ではなく、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)や大腸がんなどの病気が隠れている可能性があります。症状に不安を感じた際は、迷わず専門医にご相談ください。

よくある質問

スポーツドリンクは経口補水液の代わりになりますか?

水分補給にはなりますが、スポーツドリンクは糖分が多く、塩分(電解質)が少なめです。軽い症状なら選択肢になりますが、嘔吐や下痢が激しい場合は、経口補水液の方が適しています。

下痢の時、お風呂でお腹を温めるのは効果がありますか?

体調が比較的安定していれば、入浴で体を温めるのは血流を改善しリラックス効果があります。しかし、発熱時や脱水気味の時は、入浴によってさらに水分が失われたり、立ちくらみを起こす危険があるため、短時間のシャワーにとどめるか、回復を待つようにしてください。

バナナは、熟したものと青いもの、どちらがよいですか?

下痢のときは、よく熟した黄色いバナナがおすすめです。やわらかく、消化しやすいためです。青いバナナは便を固める成分がより多いとされますが、かたくて消化しづらく、お腹が弱っているときには向きません。皮に茶色い斑点が少し出たくらいのものが、食べやすい目安です。

下痢止めの薬を飲んで、早く止めてしまってよいですか?

自己判断での使用には注意が必要です。血便がある、高い熱がある、強い腹痛があるときは、下痢を無理に止めることで、かえって症状が悪くなることがあります。こうしたときは薬で様子を見ず、医療機関にご相談ください。

家族に下痢をうつさないために、気をつけることはありますか?

原因によっては、人にうつることがあります。とくにウイルスや細菌による下痢では、手やタオルを介して広がることがあります。トイレのあとや食事の前に、せっけんと流水でしっかり手を洗いましょう。タオルの共用を避けると、より安心です。

【参考・出典元】

  • 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準」

  • 日本消化器病学会:「急性胃腸炎」に関する指導ガイドライン

  • 環境省・厚生労働省:脱水症予防と経口補水療法の推奨に関する手引き

【免責事項】

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。強い腹痛や血便、脱水症状などがある場合は、速やかに医療機関で医師の診察をお受けください。

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記事監修

院長 石岡 充彬

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

 

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