医師がおすすめする50代・60代の健康診断でのオプション

  1. ホーム
  2. 医療コラム
  3. 健康診断
  4. 医師がおすすめする50代・60代の健康診断でのオプション

2026年5月12日

「毎年健康診断を受けているから大丈夫」と思っていませんか?通常の健康診断は、血圧、血糖、脂質、肝機能などを確認するうえでとても大切ですが、胃・大腸の粘膜病変や腹部臓器の異常などは、基本項目だけでは十分に評価できないことがあります。50代・60代は、胃がんや大腸がんを含む病気のリスクが高まる年代でもあります。この記事では、50代・60代で追加を検討したい検査を、「公的に推奨される検診」と「状況に応じて選ぶオプション」に分けて解説します。

医師がおすすめする50代・60代の健康診断でのオプション

50代・60代は健康リスクが高まる年代

50代・60代は、がんや生活習慣病のリスクが急上昇する年代です。
国立がん研究センターのデータでも、大腸がん・胃がんの罹患率(病気にかかる割合)は50代から大きく増加することが示されています。

50代・60代で起こりやすい体の変化

体の変化具体的なリスク
代謝異常が目立ちやすくなる脂肪肝、糖尿病、脂質異常症
加齢や既往の影響が蓄積する胃がん、大腸がん、大腸ポリープ
閉経や加齢で骨量が低下しやすい骨粗鬆症、とくに女性で注意

通常の健康診断でわかること・わからないこと

毎年の健康診断は、生活習慣病の早期発見に有効です。

一方で、消化管の粘膜を直接見る検査や、腹部臓器の詳細な画像検査は含まれない場合も多いです。
そのため、必要に応じて追加検査を検討する必要があります。

通常の健康診断でわかること

検査項目主にわかること
血液検査貧血、肝機能、腎機能、血糖、脂質など
血圧測定高血圧の有無やリスク
尿検査蛋白尿、糖尿、尿潜血など
胸部エックス線肺の陰影異常(肺がんなど)の拾い上げ
身体測定・腹囲肥満・メタボリックシンドロームの目安

通常の健康診断でわからないこと

  • 胃・大腸の粘膜の状態(早期がん、ポリープ、潰瘍など)

  • 肝臓・膵臓・胆嚢の異常

  • ピロリ菌(胃がんのリスクとなる細菌)の感染の有無

  • 骨密度低下や骨粗鬆症の評価

「血液検査に異常がない=消化器に問題なし」とは言い切れません。
消化器のがんは、血液検査だけでは発見は困難です。

50代・60代は人間ドックも検討すべき理由

通常の健康診断では確認できない項目を、より詳しく調べられるのが「人間ドック」です。
特に50代・60代では、国が推奨するがん検診をきちんと受けることを前提に、必要な検査を追加するという考え方が重要です。

人間ドックと健康診断の主な違い

項目健康診断人間ドック
目的生活習慣病の早期発見全身のより広い範囲の病気の拾い上げ
検査内容血液・血圧・尿検査など基本項目が中心基本項目+内視鏡・超音波など個別のリスクに応じた検査の追加が可能
費用比較的低コスト。自治体や会社負担で検査が可能な場合も自費が中心
所要時間比較的短時間で終わるものが多い半日〜1日程度が多い。項目により1泊ドックなどもあり

健康診断の基本項目だけではカバーできない検査を、人間ドックで追加することができます。年齢・既往・家族歴・症状に応じて優先順位をつけることが大切です。

50代・60代に人間ドックをおすすめする理由

  • がんや消化器疾患のリスクが高まる年代である

  • 定年前後で会社の健康診断を受ける機会が減りやすい

  • 早期発見により、治療の選択肢が広がる

  • 自覚症状が出る前に病変を見つけられる可能性がある

「健康診断で異常なし」という結果に安心しすぎず、人間ドックで一歩踏み込んだ検査を受けることが、この年代の健康管理には重要です。

50代・60代が特に注意すべき消化器系の疾患

50代・60代は、消化器系の疾患が急増する年代です。自覚症状が出にくいものが多く、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。

特に注意が必要な消化器疾患

疾患名特徴主なリスク要因
胃がん初期は無症状のことがあるピロリ菌感染・喫煙・塩分過多など
大腸がん無症状で進行することがある。便潜血陽性・便通異常などが発見の契機になることもある加齢・肥満・飲酒・遺伝など
大腸ポリープ放置するとがん化する前がん病変を含む
加齢・肥満・飲酒・遺伝など
胆のうポリープ・胆石超音波で見つかることが多い
加齢、代謝異常など
脂肪肝自覚症状ほぼなし。一部は進行すると慢性肝炎・肝硬変へと進行し肝がんのリスクとなる肥満、糖尿病、脂質異常症など
膵臓の異常超音波で拾えることもあるが見えにくい部位もある。糖尿病、喫煙、家族歴など

専門医がすすめるオプション検査|胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波

消化器疾患の早期発見において50代・60代の方が定期的に受けるべき消化器系の3つのオプション検査は下記の通りです。

  • 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
    胃がん検診は50歳以上で2年に1回、胃部X線検査または胃内視鏡検査が推奨されています。胃カメラでは、バリウム検査では発見しにくい、食道や十二指腸の疾患も観察可能です。また胃の粘膜の色調変化や小さな病変を直接観察でき、必要に応じて生検も可能です。

  • 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
    大腸がん検診として国が推奨しているのは、40歳以上の年1回の便潜血検査(2日法)です。便潜血陽性なら精密検査として大腸カメラが必要です。大腸カメラは、大腸全体を直接観察できる検査です。便潜血検査(検便)は大腸がんによる死亡率低減を目的とした検査ですが、大腸ポリープの早期発見には大腸カメラのほうが適しています。

  • 腹部超音波検査(エコー検査)
    腹部超音波検査は、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓などを評価できる検査で、放射線被ばくがなく体への負担が少ないのが利点です。脂肪肝、胆石、胆のうポリープなどの拾い上げに役立ちます。日本消化器がん検診学会の判定マニュアルでも、腹部超音波検診の対象臓器と判定基準が整理されています。

ただし、超音波には必ず死角になる領域があり、膵臓の一部などは見えにくいことがあります。異常所見があった場合や高リスク群では、CT/MRIなどの追加画像検査を個別に検討する形が適切です。

消化器以外で追加を検討したいオプション検査

50代・60代は、消化器以外の病気にもリスクが高まる疾患があります。消化器のオプション検査と合わせて、以下の検査も検討する価値があります。

追加を検討したい主なオプション検査

検査名わかること特におすすめの方
頸動脈エコー検査動脈硬化の程度高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙歴がある方
ABI(足関節上腕血圧比)足の動脈の詰まりや動脈硬化の程度の目安喫煙歴、糖尿病、高血圧、脂質異常症がある方、歩くと足が痛い・冷える・しびれる方
骨密度検査骨粗鬆症のリスク閉経後女性、高齢者、骨折歴がある方
HbA1cなど糖代謝評価糖尿病の評価血糖異常を指摘された方、肥満のある方
低線量肺CT肺がんの早期発見低50〜74歳の重喫煙者(喫煙指数600以上、禁煙15年以内を含む)

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックについて

当クリニックは、消化器疾患の診断と治療を専門としています。胃がん・大腸がん・大腸ポリープをはじめとする消化器のトラブルに対応しています。

当クリニックの特徴

  • 消化器専門医による診療

    日本消化器病学会専門医が、丁寧に診察いたします

  • 内視鏡検査が可能

    胃カメラや大腸カメラなど、精密な検査を行うことができます

  • 土曜日・日曜日も診療

    平日お忙しい方も受診しやすい体制を整えています

こんな症状があればご相談ください

  • 胸やけ・胃もたれ・げっぷが続く

  • 便に血が混じっている・便が細くなった

  • お腹の張り・腹痛が続く

  • 食欲がない・体重が減ってきた

  • 健康診断で便潜血陽性と言われた

お腹の症状でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

よくある質問

オプション検査はどこで受ければよいですか?

健康診断に追加できる項目は、健診機関や人間ドック施設によって異なります。胃カメラや大腸カメラ、腹部超音波などは、消化器専門医がいる専門クリニックや人間ドック施設で相談するとよいでしょう。検査希望の方は当院へお気軽にお問い合わせください。

胃カメラと大腸カメラは同じ日に受けられますか?

当クリニックでは、胃カメラと大腸カメラを同日に受けることが可能です。前処置や検査の負担を1日にまとめられるため、お忙しい50代・60代の方にもおすすめです。

オプション検査は保険適用になりますか?

自覚症状がない状態での健康管理目的の検査は、基本的に自費診療となります。ただし、便潜血検査が陽性だった場合の大腸カメラや、症状がある場合の内視鏡検査は保険適用となる場合があります。詳しくは受診時にご確認ください。

腫瘍マーカーは追加したほうが安心ですか?

一般の健康診断オプションとしては、必ずしもおすすめできません。腫瘍マーカーは、がんがなくても高くなったり、がんがあっても高くならなかったりするため、早期発見に十分有効とは言えないからです。

記事の共有はこちらから

記事監修

院長 石岡 充彬

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

 

  TOP